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Channel: 長崎大学産婦人科のブログ
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ATLウイルス母子感染防止に関する講演会が行われました。

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こんにちは。医局長です。
長崎も桜の開花宣言があって、3から5分咲といったところでしょうか。
まだ朝晩は少し冷えますが、暖房はいらなくなってきましたね。
週末は走りに行ったついでに立山公園の桜を見てこようかと思っています。

さて、昨日はATLウイルス母子感染防止に関する講演会がありました。
ATLはウイルスによって発症する成人ヒトT細胞白血病というとても予後の悪い白血病です。
母乳で母子感染することが分かっていて、そのため、産婦人科とは切っても切れない病気です。
病気にならないためにはキャリア(ATLウイルスの抗体を持っている人)の妊婦さんから
赤ちゃんに感染させないように予防するしかありません。
そのため、人工栄養(要は母乳ではなく、ミルク)で育てることが大事です。
母乳の大切さが分かっている私たち産婦人科医だからこそ、
そのメリットを差し置いてでも、人工栄養を強く勧めることが出来ます。
そして、助産師さん、保健師さんの協力が不可欠です。
この講演会は2006年から行っていて、いつも産婦人科医だけでなく、助産師さん、保健師さん、行政の方にも参加していただいています。
今回は60名の方に参加いただきました。

まずは三浦清徳准教授が「長崎県におけるHTLV-1母子感染対策の現状報告」を行いました。
長崎県は27年間者長きにわたりこの問題に取り組んできた唯一の県です。
その実績と新しい検査法等についてお話しされました。

座長は増崎病院長が務められました。
増崎先生も講演の合間に熱く意見を述べられました。


2演題目は琉球大学医学部保健学科病態検査学講座血液免疫検査学分野教授の福島卓也先生に「ATL治療の現状」と題してご講演いただきました。

福島先生は長崎大学のご出身で血液内科を専門とされています。
沖縄県の医療事情などをふまえながら、ATLの悲惨さと治療の現状をお話しいただきました。
第一線でご活躍されており、そのお話しは分かりやすく、大変勉強になりました。


また来年度もこのような講演会を行っていく予定です。
ATLがいかに怖い病気で、予防がどれだけ重要であるか、
そのためには人工栄養を勧めるしか、今のところは手がないということを
この講演会を通して今後も訴えていきたいと思います。


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